こんにちは。寒さのあまり今朝から妙に喉が痛いイデです。
ちょうど土日なので、の2日間はゆっくり静養しようと思っております。
前回、当事者にご高齢者が含まれる取引においては、いつもより慎重に意思の確認を
行った方がよいですよ、というようなことを書かせて頂きました。
実際の不動産売買の無効事例を見てみると…
【当事者】
・認知症になっていた高齢者 → Aさん
・Aさんから不動産購入した人 → Bさん
・Bさんから不動産購入した人 → Cさん
・Aさんの成年後見人 → Zさん
【概要】
①Aさんが居住する自宅の土地建物を、Bさんに売る契約をし、所有権移転登記がなされた。
②Bさんは、購入した不動産をCさんに転売し、所有権移転登記がなされた。
③医師の診断によると、Aさんは①売買の約1年前から認知症の周辺症状が見られており、
売買の半年後には、アルツハイマー型認知症(幻覚妄想・失見当識)と診断され、売買当日も
同様の状態であった。
④売買の半年後、親族より家庭裁判所に後見開始の申立てがなされ、Zさんが成年後見人
として 選任された。
⑤Zさんは、①売買当時、Aさんに意思能力がなかったので売買契約は無効であり、よって
②売買も無効であるとしてCさんに証郵券移転登記抹消手続きを求めて裁判所に提訴した。
【判決(意訳)】
①売買の際、Aさんはアルツハイマー型認知症にかかっており、不動産を売買することによって
自分が住居を失い、別の居住先を探さなければならないという極めて簡単に予想できる
問題点に思い至らないほどだったので、自分の財産の処分や管理を適切に行う判断能力を
欠く状況だったと認める。
よって、①売買は無効と認めるのが相当であるから、BさんはAさんから不動産の所有権を
取得できず、またCさんも無権利者であるBさんから不動産の所有権を取得することは
当然できないから、Cさんは所有権移転登記の抹消を行わなければならない。
いかがですか?
Cさんには全く落ち度がないのに、せっかく購入した不動産を手放す羽目になりました。
当然CさんからBさんへの損害賠償請求や不当利得返還請求がなされるとは思いますが
精神的ダメージは計り知れないですね。
もしも、Bさんが"とんずら"してたら、お金も戻ってこないということに…
怖いですね~
売主が真の所有者であるか否か、この点を確認しないと買主さんが安心して不動産を
取得できないので(買主さんはそんなこと意識してませんけど…)、司法書士は
重い責任を背負っていると言えます。
なので、この売買は大丈夫という己の心証形成できないと、登記申請しないのです。
職業柄、たまたま不動産でお話しましたが、この論理は、不動産に限らないことですので、
人ごとだと思わないようにご注意ください。あなたのことです。
次回は、成年後見制度について。。